プリムス君と京野菜
みなさんこんにちは、プリムスです🇧🇪🍺
今日は同じテーブルに丸い茄子が2つ居たんだよ。この前のズッキーニも丸かったし、最近は丸い野菜が流行ってるの?って聞いたら、彼女たち目を合わせてクスクス笑うんだよ。何なの?って改めて聞いたら
「私たちは賀茂茄子って言うの。流行りも何も私たちは江戸時代初期からこの形なのよ。それと丸いズッキーニの事は知らないわ。あの子は京野菜ではないから。」
って京野菜って組合みたいなのがあるみたいだよ。鹿ヶ谷かぼちゃとか聖護院大根とか、伏見とうがらしとか九条ねぎとか…他にも居るらしいんだけど、その組合に入るには長い歴史が必要らしいんだよ。京都って古い事に価値を見出そうとするよね。それで、僕が生まれた年を言うと、あーまだまだねって。
何だよ、京都って人も野菜も感じ悪いよ。
ってボヤいてたら、無鉄砲が悪かったわねって怖い顔して立ってたよ💧無鉄砲もたまにすごい嫌味言うんだよ。アイロニックでは多分今まで会ったどんな人よりもすごいね。これは決して褒め言葉じゃないけどね。京都の人(野菜も)みんな総じてこんなのなのかな?
でも本音を言った方がいい時もあるよって言ったら、もう今更無理って。本音言わないDNAが千年以上脈々と受け継がれてるのかな。なんかでもそれって良いのか悪いのかわかんないや。
さてさて、感じは良くないけど賀茂茄子ちゃんたちは普通の茄子より身が詰まってて美味しいらしいんだよ。今日は白味噌に砂糖やお酒や生姜を混ぜたものを頭にのせられてた。
白味噌ってのも京都のものなの?
「白味噌は石野の以外使ったことないわ」
ってまた古そうな味噌屋の名前だしてきたよ。そんなに古いって良いことなの?それ以外取り柄ないのかな?
でも、京都って世界中にファンが居るよね。
僕も少し前に古いお寺に連れてってもらったけど確かに素晴らしかったよ。
もう少し京野菜組合のことも勉強しようかな。
無鉄砲はデザートに巨峰ちゃんを運んできた。大きな声では言えないけど、賀茂茄子よりあっちの方がよっぽど高級そうに見えるんだけどな。世の中わからないもんだね(笑)
それでは、またね : )
プリムス君と自家製トマトソース
みなさんこんにちは、プリムスです🇧🇪🍺
今日は朝から無鉄砲が実家から貰った大量のトマトでソースを作ってたんだ。
日本のトマトは水分量が多くて、たくさん煮込んでも半分くらいに減っちゃうらしくて。イタリアのトマトみたいに身が詰まってかたいって訳じゃないんだよ。でもサラダで食べるには甘くて最高なんだけどね。2回に分けて煮込んで結局3リットルくらいのソースになったのかな。
そしてそれはそのまま夕食のテーブルに運ばれてきた。中に少しバジルペーストを混ぜたのかな。きっとフレッシュなソースはパスタにとっても何よりのご馳走だよね。
そして前菜はサーモンのカルパッチョ。
この家ではイタリアンワインでもサンペレグリノでもなく、ドリンクの主役はいつだって僕なんだ。僕はお魚ともパスタとも仲良しだからね。
特別な日も、そうでない日常でもみんなが僕を飲んで幸せになってくれたら、とても嬉しい。僕が必要なときはいつでも呼んでね。
それでは、また :)
プリムス君の閑話休題~夜の暴動編~
みなさんこんにちは、プリムスです🇧🇪🍺
今から190年前の今日、僕の故郷ベルギーのブリッュセルでは夜の暴動が起こったんだ。
起こしたのはカソリック信者のある一団だった。彼らはその前の月に起こったパリの七月革命の出来事を知っていて、その空気がブリュッセルにも押し寄せてきてると確信していたと思う。もちろんそのことについて報道で知っている市民もたくさん居たんだ。
そしてそのきっかけになったのは、ブリュッセルのモネ劇場(ベルギー王立歌劇場)で「ポルティチの唖娘(おしむすめ)」の上演だった。このオペラはイタリアのナポリを舞台に魚の小売商人マサニエッロがスペイン総督に対して起こした一揆(マサニエッロの反乱)を題材にした作品で作曲はフランス人作曲家ダニエル・オペールによるものなんだ。話は反乱によるショックで口がきけなくなってしまったマサニエッロの妹フェネッラを中心に展開していく非常に愛国心を煽る内容で、テノール歌手のアドルフ・ヌーリーの”Amour sacre de la patrie"(祖国への神聖なる愛)の二重唱が市民、カソリック教徒を刺激して公演が終了したあとに感化された市民が愛国的な言葉を口々に言いながら政府の建物を占領したんだ。
ではなぜカソリック信者や市民は政府に対してそのような行動を起こしたんだろうか。
それは当時のベルギーを実質的に支配していたオランダに対する宗教の違い(オランダはプロテスタント)や仏語を話すワロン人への扱いなどに不満を持っていたからなんだ。当時は今よりもずっとずっと人々の心や生活を宗教が占めていたんだよね。
そのほか産業、経済においてもオランダが実質支配していてベルギーは当時十分な恩恵に預かることができずなかなか発展できなかった。当時のウィレム一世はオランダに住んでいたし、下院議員もオランダ人が圧倒的に多数派だった。だからベルギーの人々は自分たちの意見が十分に反映されないことに不満を募らせていったんだ。これは言わば仏語を話す上流、もしくは中流階級のワロン人のための革命だったんだよ。
そしてその約一か月後に”血の市街戦”と呼ばれる戦いで王立軍を破って9月26日にブリュッセルで臨時政府が発足、翌月の10月4日に独立宣言がなされた。
しかしその後もベルギーは大国に翻弄されたり、民族間での意識差などでいがみあったり。悲しいけどそれは今も続いてる。フランスやドイツなどの大国に挟まれていることもあって地政学的にも国の運営が難しいのかもしない。だけど小国ゆえに交渉上手だったり友好関係を構築することが得意なのはベルギー人の特性でもあるんだよ。
では、今日はここまで。続きはまた今度。
みなさん、またね : )
プリムス君とフジロックフェスティバル
みなさんこんにちは、プリムスです🇧🇪🍺
今年はコロナの影響で世界中の音楽イベントが中止になってるんだって。大変残念なことだけど、ベルギービールウィークエンドも今年は中止に追い込まれたからね。僕たちが一年で一番楽しみにしているイベントだっただけにとっても残念だったよ。
それで、今日はフジロックの日なんだけど今年はYouTubeで過去の映像を流すらしくて。
こういうのがやたらと好きな無鉄砲はテレビで見るためにその他の用事を早めに片付けて、椅子の上で何故か三角座りしていたよ。まるでドラえもん見るために早く宿題片付ける子どもだね、少なくとも僕にはそう見えたよ。
唯一子どもと違うのは手に僕を握りしめてるところだね。無鉄砲曰く、音楽にはお酒が時に必要らしいよ。特にこういう屋外型の時はビールが最適らしいよ。まぁ今日は家なんだけど。
確かに僕を飲みながら映像を眺める無鉄砲はとても幸せそうだよ。今日は日本のそこかしこで同じような人が居るに違いない。
来年はベルギービールウィークエンドも、フジロックも開催されたらいいよね。好きな音楽を聴きながら美味しく僕を飲んでくれる誰かと来年は出会いたいな:)
それでは、また
プリムス君と過酷な日本の夏
みなさんこんにちは、プリムスです🇧🇪🍺
僕は最近暑さにかなりやられている。正直生きた心地がしないほどだよ。無鉄砲が気を利かせて冷蔵庫に入れてくれた時はまだいいよ。だけど彼女もいつもいつも僕のことを考えているとは限らなくて、朝出掛ける時にそのまま放置されることもある。しかも窓際で💧
もうそうなると。一日中陽射しを浴びることになる。太陽が恋しいヨーロッパならまだしも、ここは太陽がむしろ疎ましく思える東の果ての国だよ。しかもエアコンは切られてしまうんだ。正しい節電なんだろうけど、僕にはただの修行でしかない。
しかし夕方に帰ってくる無鉄砲は一日中修行をしていた僕よりも時に疲れてることがある。そうなるともう何も食べたくないみたいだけど、点滴生活(というのを経験したらしい)にはなりたくないから、と取り敢えず毎日野菜だけは食べるようにしてる。最近の無鉄砲はどうしたら食欲が出るのか、悩んでるらしかった。
ってここまで書いたらか弱くて可哀想と思うだろう?僕も最初は心配したんだよ、本当に。
しかし、僕を飲みながら無鉄砲はチョコレートをよく食べている。一番好きなチョコレートはこれらしいよ。
信じられない❗️ベルギーはチョコレートの国だと言っても過言ではないのに、スイスのチョコレートを押すんだよ❗️あり得ない‼️どうやらまだこのチョコレートが日本に輸入されてなかった頃にお土産で貰ってやみつきになったんだって。凄く古いお話だね(多分)。
最近このリンツ社が日本で攻勢を仕掛けてるらしくて、あちこちのデパートで見かけるらしい。
「時代がわたしに追いついたわ」
ってニタニタ笑ってる無鉄砲を例えサラダしか食べられない状態であったとしても、僕は全く同情できない。
僕の修行生活はまだ暫く続きそうだよ。
それでは、またね。
プリムスくんと前菜くんの調べ
みなさんこんにちは、プリムスです🇧🇪🍺
今日は無鉄砲の友だちが遊びにきていた。と言っても無鉄砲はなかなか帰ってこなくて、その友だちと僕は気まずい2時間を共にしたんだ。実は僕は極々親しい人としか喋ることができないんだ。だから、その友だちは時々僕に一瞥をくれるだけで、まさか喋るとは思ってないからずっと静かにしていた。
そうしてやがて無鉄砲が帰ってきた。
友だちは無鉄砲に色んなものを渡している。無鉄砲はプレゼントが大好きだから、とてもニコニコしている。本当に現金なやつだ。
どうやら、友だちは薫製作りにハマっているらしかった。みんなは薫製と聞くと何を想像するかな?ベーコンとかサーモンとかせいぜいチーズだよね。ところがその友だちが薫製にして持ってきたのはフルーツだった。オレンジ、りんご、プラム…無鉄砲は最初は訝しげに見ていたけど、ひと口食べて感動すらしていたよ。とっても美味しいんだって。しかもチーズとよく合うらしくて。そしてそこには生ハムも居た。
これだけ見てると、僕に出番はないんじゃないかと少し気遅れしてしまう。僕はずっと下を見つめていた。
しかしその時、無鉄砲は
「こういう時こそ君なんだよ」
と言って俯く僕をすくい上げたんだ。
そう言えば僕は無鉄砲の家に来てから、ほかのお酒を見たことがない。なぜだろう?もう少ししたら彼女はぼくに教えてくれるかな。
僕は無鉄砲とセンスのいい薫製ちゃんの仲がこれからも末長く続けばいいなって心から思ったよ。
それでは、また:)
プリムス君とフランス料理
みなさんこんにちは、プリムスです🇧🇪🍺
その日僕は暑くてたまらなかったので、冷蔵庫に入れてもらっていた。隣には牛乳パックが居て、その反対隣には豆乳パック、この2人の仲が悪いのかしらないけど、僕は間に挟まれて少し居心地が悪かったよ。暑いからだろうね、冷蔵庫の扉が何度も開くんだよ。その度に部屋のあまり涼しくない空気が入り込んでくる。その度にフレッシュじゃないと困るお魚やお肉が顔をしかめるんだよ。僕は…まぁ瓶だからね。
そこにスライスされたラディッシュが小さなボウルの中で水にさらされた状態で入ってきた。瑞々しくなったから、やたら元気そうで両隣に気を遣ってる僕は少しその元気さが暑苦しかった。せっかく冷蔵庫に居るのに。
そしてこのシャキッとしたラディッシュが無鉄砲をも苦しめることになったみたいだったよ。
無鉄砲はフランス大使館のHPを見ていた。渡航したいんだろうね。住んでたのかな?ってくらいパリの通りや公園の名前に詳しいんだよ。無鉄砲は10代の頃は本気でパリジェンヌになりたかったらしいよ…う、うん、夢は誰でも見るからね💦
そしてこの日はそのHPに載ってたお料理を作ってたみたいだ。フレッシュなサーモンを少し細かく切ってチャービルとオリーブオイル、塩こしょう、ニンニクおろしと混ぜたものをセルクルっていうケーキの型に入れて、その上にタルタルソースをのせて、そしてその上に一枚ずつ丁寧にスライスしたラディッシュを…ってところで無鉄砲が顔をしかめていた。
ラディッシュが元気すぎて並べにくいらしくて。あー塩水でしんなりさせておくべきだったと言ってたよ。どうも写真だけ見て作ったみたいだよ。やっぱりこの人は無鉄砲だよ。
あとはこの前から我が家にいるまぁるいズッキーニをグラタン風にしてオーブンで焼いてた。これもまたレシピなしで作ってたよ。
何でちゃんと調べないの?って聞いたら暑くて字を読む気になれないの!冷蔵庫に入って涼んでるプリムスにはわからないわよ!と少しおかんむりだった。嫌だね、女の子はいつでも感情的だ。
まぁ感情的だからラテンな空気ただようパリジェンヌになりたかったのかもね。
さてさて、出来上がったみたいだよ。
今日はフランス風だね、
Bon appétit💕